司法修習委員会 2018年(平成30年)度

委員長 月山 純典 副委員長 田邊 和喜
柳川 正剛

1 当委員会について

司法試験に合格しても、そのまま実務に就くことは困難です。そこで、1年間、裁判所、検察庁、弁護士会等でそれぞれの実務を勉強するというシステムがとられています。当委員会は、指導担当弁護士の選定、司法修習生の指導担当弁護士への配置、講義・見学及び選択型修習の企画、スケジュールの作成等を担当し、良き法曹を育て、ひいては基本的人権の擁護、社会正義の実現に資することを目的としています。

2 弁護士実務修習の実際について

指導担当弁護士が実際に受任している事件の処理を通じて、弁護士としての能力を養い、基本的人権の擁護と社会正義の実現という弁護士の使命及び職務について理解を深めてもらうこととなります。そのために、各司法修習生を1名ないし2名の指導担当弁護士の事務所に配置し、指導担当弁護士の経験、知識、技術、倫理を、司法修習生に伝えるという方式で行っています。当然のことながら、各指導担当弁護士には、相応の経験、知識、技術、倫理が求められます。本年1月から、第71期司法修習生16名が和歌山で修習しています。

3 今後の課題と皆様へのお願い

ご承知のように、司法修習を終え法曹となる資格を得たものの、裁判官、検察官、弁護士として活動できない方が増加しています。また、平成23年11月から、司法修習生に対して給与を支給する制度が廃止され、貸与制になりました。その結果、大学・法科大学を卒業するための学資や、貸与された給与の返還等により、法曹になった段階で800万円を超える負債を抱えている方が相当数います。こういったことから、若者の法曹離れが進み、法科大学院への入学者数が平成19年度には約5700人であったのに、現在は半減しています。三権分立の一翼を担う司法へ人材が集まらなくなることは国家にとって由々しき事態です。そこで、日本弁護士連合会は平成24年3月、法曹人口の急激な増員がこのような深刻な問題を引き起こしているとして、司法試験合格者をまず1500人にまで減員することを求めました。また、貸与制の問題点を指摘し、修習手当の創設のための活動を行ってきました。その結果、平成29年度以降採用の司法修習生(第71期以降)には修習給付金制度が新設されました。しかしながら、第65期から第70期の貸与を受けた世代は、何らの手当のないまま放置され、本年の7月から第1回の貸与金の償還が始まります。こういった問題についても、皆様のご理解、ご協力をお願いします。