司法修習委員会

委員長 田邊 和喜 副委員長 河野 ゆう
柳川 正剛

1 当委員会について

裁判官、検察官又は弁護士となるためには、司法試験に合格するだけでなく、原則として、1年間の司法修習を終えることが必要とされています。司法修習では、法律実務に関する知識や技法を習得することはもとより、高い職業意識や倫理観を備えることも目的とされており、一定の期間、裁判所、検察庁及び弁護士会に順次配属され、それぞれの実務を勉強することになります。当委員会は、和歌山弁護士会に配属された司法修習生に対し、指導担当弁護士の選定や配置、講義・見学及び選択型修習の企画、スケジュールの作成等を行い、良き法律実務家を育成するための活動をしています。

2 弁護士実務修習の実際について

指導担当弁護士が実際に受任している事件の処理を通じて、弁護士としての能力を養い、基本的人権の擁護と社会正義の実現という弁護士の使命及び職務について理解を深めてもらうこととなります。そのために、各司法修習生を1名ないし2名の指導担当弁護士の事務所に配置し、指導担当弁護士の経験、知識、技術、倫理を、司法修習生に伝えるという方式で行っています。当然のことながら、各指導担当弁護士には、相応の経験、知識、技術、倫理が求められます。本年1月から、第72期司法修習生12名が和歌山で実務修習をしています。

3 今後の課題と皆様へのお願い

ご承知のように、司法修習を終え法律実務家となる資格を得たものの、裁判官、検察官又は弁護士として活動できない方が増加しています。また、平成23年11月から、司法修習生に対して給与を支給する制度が廃止され、貸与制となりました。その結果、法科大学院を卒業するための奨学金や、司法修習中の貸与金の返還等により、法律実務家となる資格を得た段階で多額の負債を抱えざるを得ない方が相当数います。このようなことから、若者が法律実務家を目指さなくなり、司法試験の受験者数が急減しています。三権分立の一翼を担う司法界に有為な人材が集まらなくなることは、わたしたち国民や国家にとって由々しき事態です。そこで、日本弁護士連合会は、平成24年3月、法律実務家なかんずく弁護士数の急激な増員がこのような深刻な問題を引き起こしているとして、司法試験合格者をまず1500人にまで減員することを求めました。また、貸与制の問題点を指摘し、修習手当の創設のための活動を行ってきました。その結果、平成29年度以降採用の司法修習生(第71期以降)には修習給付金制度が新設されましたけれども、第65期から第70期の既に貸与を受けた世代は、何らの手当のないまま放置され、昨年7月から貸与金の償還が始まっています。こういった問題についても、皆様のご理解とご協力をいただきたくお願いいたします。