司法修習委員会

委員長 大谷 惣一 副委員長 後   亮
河野 ゆう

1 当委員会について

裁判官、検察官または弁護士となるためには、司法試験に合格した後、原則として1年間の司法修習を終えることが必要です。司法修習では、法律実務に関する知識や技法を習得することはもとより、高い職業意識や倫理観を備えることも目的とされており、司法修習生は、一定期間、裁判所、検察庁及び弁護士会に順次配属され、それぞれの実務について研修することになります。

当委員会は、和歌山弁護士会に配属された司法修習生に対し、指導担当弁護士の選定や配置、講義・見学及び選択型修習の企画、スケジュールの作成等を行い、良き法曹(裁判官、検察官、弁護士)を育成するための活動をしています。

2 弁護実務修習の実際について

弁護実務修習において、司法修習生は、個々の法律事務所に配属され、担当弁護士の指導を受けます。具体的には、基本的に「生きた事件」を素材として、担当弁護士の指導の下、裁判所提出書類を作成したり裁判を傍聴するほか、法律相談や交渉などの訴訟外活動や捜査段階の弁護活動を見聞することにより、弁護士としての基本的なスキルを会得することだけにとどまらず、先輩弁護士の職務に取り組む姿に直接触れることにより、弁護士としての心構え、責任、倫理観を会得することにも取り組みます。

当然のことながら、各指導担当弁護士には相応の経験、知識、技術、倫理が求められ、本年は4月下旬から、経験年数10年以上の弁護士が第76期司法修習生12名に対する指導にあたっています。

また、捜査機関による身柄拘束直後の初回接見の重要性に鑑み、指導担当弁護士以外の会員の協力を得て、司法修習生全員が初回接見に同行する機会を確保するシステムを構築しています。

3 今年度の課題について

過去3年程、新型コロナウイルス感染症の蔓延により、弁護実務修習の在り方も大きな影響を受けました。

ただ、今年度は、5月8日より、新型コロナウィルスの感染症法上の分類が「2類」から「5類」にひきさげることが予定される等、新型コロナウィルスの感染防止を図りつつも、より社会経済活動へ軸足を移す方向へと社会全体が舵を切ることが予想されます。

当委員会としても、今年度の司法修習生の弁護実務修習が実りあるものとなるよう、新型コロナウィルスの感染状況や社会全体の動向に配慮しつつ、可能な限りの工夫を凝らしながら、弁護実務修習内容の充実を図っていきたいと考えています。