紛争解決センター運営委員会

委員長 九鬼 周平 副委員長 内川 真由美
森脇 大介

1 紛争解決センターの業務内容について

  1. 市民にとって利用しやすく、迅速で適正で納得のいく解決をめざして、和歌山弁護士会が紛争解決センターを設置し、運営を開始して、満6年が経ちました。
  2. この間、平成27年6月3日には法務大臣の認証を得ました。この法務大臣の認証によって、①時効の中断効、②訴訟の中止、③調停前置の例外などの効果が与えられ、①時効完成の直前でも安心して話し合いに取り組めるようになったほか、②訴訟が起こされている場合でもこの手続きでじっくりと話し合いに取り組めるようになり、また、③離婚や境界紛争についてはこの手続きが不成立になったあと、改めて裁判所での調停を行わなくても訴訟を提起できるようになりました。
  3. そして、平成29年4月1日からは、金融商品に関する紛争を取り扱う金融ADR、及び、日弁連交通事故相談センター和歌山県支部から委託を受けて交通事故に関する示談あっせんも開始しました。交通事故に関する示談あっせんは、損害賠償の交渉で相手方と話し合いがつかないときに、無料で、弁護士が間に入って衡平・中立な立場で示談が成立するようにお手伝いするというものです。
  4. 加えて、平成29年8月からは、紛争解決センターにおいて、障害者差別事例を扱えるように体制を整備し、これを「障害者なんでもADR」と名付けました。具体的には、差別事例については、社会福祉士にも和解あっせん人や専門委員として関与してもらえることになりました。外出が難しい方などは弁護士が主張してADRを実施することもできます。
  5. さらに、平成25年10月からは、災害発生時のトラブルについて被災者にADRを利用してもらいやすくするために、「災害ADR」を立ち上げました。
    災害ADRは、申立時の手数料が無料で(通常時のADRは申立手数料1万円及び消費税相当額が必要です)、また、トラブルが解決したときに弁護士会にお支払いただく成立手数料についても、通常時のADRに比べて、ケースに応じて減額される仕組みになっています。
    また災害ADRの立ち上げ当初は、いわゆる「激甚災害指定」を受けた災害について災害ADRを利用できるとの形をとっていたのですが、平成30年10月からは、激甚災害指定を受けた災害に限らず「災害」の意味を広く捉え、より被災者にとって利用しやすい形をとっています。
  6. そして、平成30年12月には、当会の災害対策委員会との連携のもと、和歌山県との間で災害時の法律相談と災害ADRを主な内容とする協定を結びました。この協定によって、災害ADRを行う際、避難所など、被災者にとってできるだけ身近な場所で行うことが可能となります。
    このように、災害ADRを含んだ内容の自治体との災害協定は、締結当時、「都道府県レベルで全国初」という非常に画期的なものであり、できるだけ被災者の負担を小さくして災害時のトラブル解決につなげられれば、と考えています。
    それ以降も、平成31年2月から3月にかけて、和歌山市、田辺市、新宮市、那智勝浦町、串本町、上富田町と同様の協定を結びました。今年度も、災害対策委員会と連携しながら災害協定を締結し、広く災害ADRを利用してもらえるような体制を整備していきたいと考えています。

2 終わりに

このように、紛争解決センターは、市民の皆様にとってより一層利便性が高くなっています。

より詳しいことは和歌山弁護士会ホームページ内の和歌山弁護士会紛争解決センターのページをご覧ください。