声明・談話

カレー毒物混入事件についての会長声明

1998年(平成10年)8月12日
和歌山弁護士会
会長 田中 昭彦

去る7月25日、和歌山市園部第14自治会が開催した「夏祭り」において、祭りの参加者のために用意されたカレ-に毒物が混入され、67名の中毒患者が発生し、うち4名が死亡するという、戦慄する事件が発生した。

この事態につき、まず、亡くなられた4名の遺族の方々に対し、衷心より哀悼の意を表するとともに、このたびの事件で、直接・間接に被害をうけられた地域住民の方々に心からお見舞いを申し上げる次第であります。

さて、事件発生後19日を経過しますが、未だ真相解明に至らず、県民の不安と焦燥は日増しに増大しているのが現状であります。そして、地域住民の方々においては、事件のショックに加えて、捜査の協力に対する心労、マスコミの連日の取材攻勢等が重なり、日常生活上のストレスは甚大で、かつ蓄積しているものと思料いたします。このような状況において、特にマスコミ各社に対し、地域住民の生活と人権を尊重した取材姿勢をお願いし、併せて、松本サリン事件における「河野さん事件」の教訓を生かすよう注意を喚起するものであります。

なお、今後は、捜査機関による事件の早期解明が重要であることは当然のこととして、もう一方では、県・市等関係各機関及び関係団体において、事件の「被害者対策」への取り組みということが極めて重要であります。和歌山弁護士会としても、事件の「被害者対策」に取り組む所存でありますが、関係各機関及び関係団体に対して、この問題について更に一層の取り組みを要請いたします。

以 上