声明・談話

裁判員制度に関する会長声明

2003年(平成15年)12月26日
和歌山弁護士会 会長 有田 佳秀

裁判員制度は、国民の司法参加の理念の下に民主的裁判の実現を目指して導入されるものである。特に裁判員制度導入の目的は、司法への国民の主体的参加により国民の司法に対する理解・支持を深め、司法がより強固な国民的基盤に立脚することにある。上記の裁判員制度導入の目的に鑑み、当会は、2004年通常国会に同制度にかかる法案が上程されるにあたり、以下の通り要望する。

 裁判員制度を国民が主体的・実質的に関与できる制度とするためには、裁判官は1人または2人、裁判員の数は裁判官の3倍以上とすることが不可欠である。

 裁判員制度は、裁判員にわかりやすい制度とすべきである。そのためには、捜査機関の取調べで作成された供述調書の信用性等を判断しやすいよう、取調べ状況の可視化(録画・録音)の実現は不可欠である。

 健全な批判がないところに健全な裁判員制度の発展はない。裁判員が任務を終えた後は、職務上知り得た秘密及び自己以外の発言者と発言内容が特定できる事項を除いては、その経験を自由に述べることを容認すべきである。これを制限したり、守秘義務違反として刑罰を科したりすべきではない。