人権擁護委員会

委員長 阪本 康文 副委員長 岩橋 幸誠
戸村 祥子

1 当委員会について

当委員会は、「人権侵犯事件について調査をなし、本会に対し人権救済のための適切な処置をとるよう意見具申し、その他基本的人権を擁護するため必要な活動を行うことを職務とする」(会則第47条)委員会です。弁護士法は、弁護士の使命として、「基本的人権を擁護し、社会正義を実現すること」(第1条第1項)と規定していますが、まさにその弁護士の使命に基づいた、弁護士会の中心的委員会の一つです。

具体的には、当弁護士会に人権侵犯救済申立があった事件等につき、当委員会において調査し、人権侵害の程度に応じて警告、勧告、要望などの決定を行い、また、人権の回復や被害の救済のための助言や協力等適切な措置をとります。

昨年度は9件の新件申立てがあり、既存の事件11件と合わせて20件となりました。このうち14件を処理し、今年度に6件を引き継ぎました。なお、処理案件14件のうち措置をとったものはありませんでした。

2 様々な課題について

このほか当委員会では、人権に関わる様々な課題について調査研究などを行い、必要な意見を公表するなどの行動をしています。新型コロナウイルスに関わる人権の制限など人権にかかわる問題は日々生起しており、人権状況を注視し、弁護士会として適切な役割を果たしてゆく必要があると考えています。

また、日本弁護士連合会の呼びかけに応えて、「暮らしとこころの相談会」(年2回、臨床心理士の方にも協力してもらっています)、「全国一斉解雇・失業・生活相談ホットライン」などの相談活動にも取り組んでいます。

そして、貧困対策、自殺対策、和歌山刑務所視察委員会委員のバックアップなど、当委員会の活動は多岐にわたっています。

3 人権救済基金の紹介

2007年に当会に寄付いただいた遺産を原資として、人権救済基金が発足しました。
人権救済基金は、人権救済や平和と民主主義の擁護のために当会弁護士の援助を必要とする人たちに対して弁護士費用等の援助を行ったり、人権擁護・救済について顕著な活動をした個人、団体(弁護士以外の)に和歌山弁護士会人権賞を授与して顕彰するなど、人権の救済と拡充を目的とするものです。

人権賞の推薦は随時受け付けており、10月31日までに推薦を受け付けた案件については本年度の人権賞の審査の対象となります。審査の結果、人権賞に相当する人又は団体があれば12月1日から10日までの間に表彰等を行うことにしています(世界人権宣言が採択されたのが12月10日であり、人権週間に合わせた時期です)。

昨年度は残念ながら推薦がありませんでしたが、人権賞に該当すると思料される個人、団体の推薦をお願いします。