司法修習委員会

裁判官、検察官または弁護士となるためには、司法試験に合格した後、原則として1年間の司法修習を終えることが必要です。司法修習では、法律実務に関する知識や技法を習得することはもとより、高い職業意識や倫理観を備えることも目的とされており、司法修習生は、一定期間、裁判所、検察庁及び弁護士会に順次配属され、それぞれの実務について研修することになります。

当委員会は、和歌山弁護士会に配属された司法修習生に対し、統一修習（一斉起案及び講評等）の企画、指導担当弁護士の選定や配置、講義・見学及び選択型修習の企画、スケジュールの作成等を行い、良き法曹（裁判官、検察官、弁護士）を育成するための活動をしています。

弁護実務修習において、司法修習生は、個々の法律事務所に配属され、担当弁護士の指導を受けます。具体的には、基本的に「生きた事件」を素材として、担当弁護士の指導の下、裁判所提出書類を作成したり裁判を傍聴したりするほか、法律相談や交渉などの訴訟外活動や捜査段階の弁護活動を見聞することにより、弁護士としての基本的なスキルを会得することだけにとどまらず、先輩弁護士の職務に取り組む姿に直接触れることにより、弁護士としての心構え、責任、倫理観を会得することにも取り組みます。

当然のことながら、各指導担当弁護士には相応の経験、知識、技術、倫理が求められ、本年は8月初旬から、経験年数7年以上の弁護士が第77期司法修習生17名に対する指導にあたります。

また、捜査機関による身柄拘束直後の初回接見の重要性に鑑み、指導担当弁護士以外の会員の協力を得て、司法修習生全員が初回接見に同行する機会を確保するシステムを構築しています。

さらに、毎年度、司法研修所弁護教官並びに当委員会委員及び各指導担当弁護士が出席する意見交換会を開催し、司法研修所での最新の研修内容についての情報提供を受け、また、研修における課題などについて議論を行うなどして、司法研修所との連携を図っています。

当委員会では、弁護実務修習のさらなる充実のため統一修習の拡充を図るとともに、弁護修習の進捗度の確認及び共有等のため中間報告会を企画する予定になっております。