和歌山弁護士会とは

弁護士及び弁護士会の使命

和歌山弁護士会は、和歌山県内に法律事務所を開設している全ての弁護士が会員となって組織している法人です。

弁護士は、弁護士法第1条により、基本的人権の擁護と社会正義の実現を使命とすると定められていますが、弁護士がその使命を全うするためには、国家権力から独立し、場合によればこれと毅然として対峙しなければならない場合もあります。

そのため、弁護士の資格審査や懲戒は弁護士会だけが行うことができ、弁護士は裁判所や法務省などの国の機関から監督を受けることはありません。

そして、弁護士業務を行おうとする者は、必ずいずれかの弁護士会に入会しなければ業務を行うことができません。

以上のとおり、弁護士会は、国や地方自治体などの監督官庁が存在しない、いわば完全な自治権を持った団体として法律で認められています。

私たち和歌山弁護士会は、このような自治権が認められた理由を常に自覚し、基本的人権の擁護と社会正義の実現を目指して活動しています。

会長挨拶

私たちは、2017年度の和歌山弁護士会の会長および副会長として、和歌山弁護士会の会務運営を担っています。そこで、この1年間の会務運営にあたっての抱負を述べ、ご挨拶に代えさせていただきたいと思います。

1.弁護士の役割

社会の法制度がますます複雑化する今日、一般市民が、それらを理解し、結果の見通しを立てて行動することは非常に難しくなってきています。利害対立も複雑さを増す中、正当な権利があるにもかかわらず、保護されないまま放置されている状態も多く見受けられます。

その上、紛争の背景には、経済格差が広がる中で、子どもから、労働者、高齢者までを覆う貧困問題、非正規雇用をめぐる労働問題や中小企業の経営難、消費者問題、障害や性別による差別問題などの社会問題が関わっていることが少なくありません。そして当事者は、そうしたことから来る困難が法律問題の形で具体化したときに弁護士に相談したり助力を求めたりします。

弁護士には、法律の専門家として、市民に法制度をわかりやすく説明し、タイムリーに適切な援助をして、すみやかな問題解決を図り、また、問題が深刻化することを未然に防ぐために、尽力できるパートナーとしての役割が期待されているといってよいでしょう。

2.市民に開かれた法律相談事業を展開

和歌山弁護士会では、会員が以上の役割を果たせるよう自治体や法テラスをはじめとする各種の団体の法律相談の事業などに弁護士を派遣する体制を整えるとともに、自らも各種の常設や臨時の法律相談、110番など活動を行います。

また、刑事弁護や少年付添人活動、各種の講師派遣活動、外出が難しい障害者や難病者、高齢者も利用しやすい電話相談や出張相談、コミュニケーション等に支援が必要な障害者に対する情報保障などが円滑に行われるような制度の維持発展に一層努めてまいります。

更に、和歌山弁護士会は裁判手続によらない簡易迅速な紛争解決を目指すADRの手続を充実させています。金融商品を巡るトラブル、障害者や難病者に対する合理的配慮のあり方など、様々な分野の事案に対応できますので市民のみなさんに、積極的にご利用いただきたいと思います。

3.立憲主義、民主主義を大切に

今年は、1947年5月3日に日本国憲法が施行されて70年の節目の年ですが、社会では、立憲主義の大切さについての認識が薄れてきているように感じます。そうした中で、軍隊を海外に派遣して武力行使をしやすいようにしようとする集団的自衛権、テロや災害等の緊急時に政府に強い権限を持たせる国家緊急権、テロ対策の名目のもとに警察にきわめて広範な捜査権限を持たせる共謀罪の創設などが社会で一定の支持を受ける素地が整っているといえるでしょう。

しかし、これらはいずれも行政権力の強大化であり、憲法の定める三権分立や人権保障を後退させ、ひいては憲法が定める法の支配の基礎を掘り崩す危険があります。

私たちは、在野の法律家として、行政権力の強大化に対し、憲法の基本的理念に基づいて、行政権にそこまで強い権限を与える内容の立法を行う必要性が本当にあるのか、そのような法律ができてしまった場合に本当にその法律が適切に執行されているのか、憲法の基本的な価値を掘り崩す危険性がないのかなどについて目を光らせ、市民の皆様に問題提起をしていきたいと思います。

是非、ご一緒に考えてまいりましょう。

2017(平成29)年度 和歌山弁護士会 会 長 畑   純 一
副会長 谷 口   拓
副会長 長 岡 健太郎
副会長 藤 田 隼 輝