声明・談話

雑賀崎沖埋立計画(再修正案)についての声明

1999年6月22日
和歌山弁護士会 会長 山口 修

1、当会は本年2月に「雑賀崎沖埋立計画についての意見書」を採択し、関係各機関に同意見書を届けて、本計画の即時凍結と港湾将来構想の全面的見直しを含めた抜本的な計画の変更(撤回を含む)を要請してきた。

同意見書では、「和歌山県は、和歌山下津港本港沖(雑賀崎沖)地区埋立計画を即時凍結し、環境影響評価法にもとづく評価手続を実施するとともに、情報の全面開示と住民参加の手続の下で、①大水深バースの必要性(需要予測)、②廃棄物処分場確保の必要性と投棄場所を本地区とせざる得ない事由、③景観・自然環境に与える影響等について白紙から検討し直し、本港地区周辺の港湾将来構想の全面的見直しを含めた抜本的な計画の変更(撤回を含む)をすべきである。」と述べた。

2、ところが、和歌山県は、和歌山市長と意見調整が出来たとして、本年5月12日に修正計画案の約75ヘクタールの埋立面積のうち、わずか1.1ヘクタールだけを縮小した再修正案を発表し、5月15日に開催された景観検討委員会で「景観上容認できる」との評価を得たとして、地方港湾審議会の承認を経て、7月に開催される国の港湾審議会に向けて同計画を運輸大臣に提出したいとの意向を示している。

3、しかし、再修正案は修正案にある埋立面積のうち、わずか75分の1にすぎない1.1ヘクタールを減少するだけのものであり、海面埋立てによる自然景観や自然環境へ与える影響はほとんど変わらない。

しかも、このような再修正案の策定にあたっても住民参加と事前の情報公開は今回も行われず、また、埋立の必要性として言われている大水深バースの需要予測や当該地域が建設残土の処分場として最適地であるという根拠の説明も依然として不十分なままである。

4、よって、当会は、現在和歌山県が推し進めようとしている雑賀崎沖埋立計画の再修正案についても、当会の意見書で指摘した各論点について白紙から検討し直し、拙速に運輸大臣への提出をしないよう求めるものである。

以 上