和歌山弁護士会とは

弁護士及び弁護士会の使命

和歌山弁護士会は、和歌山県内に法律事務所を開設している全ての弁護士が会員となって組織している法人です。

弁護士は、弁護士法第1条により、基本的人権の擁護と社会正義の実現を使命とすると定められていますが、弁護士がその使命を全うするためには、国家権力から独立し、場合によればこれと毅然として対峙しなければならない場合もあります。

そのため、弁護士の資格審査や懲戒は弁護士会だけが行うことができ、弁護士は裁判所や法務省などの国の機関から監督を受けることはありません。

そして、弁護士業務を行おうとする者は、必ずいずれかの弁護士会に入会しなければ業務を行うことができません。

以上のとおり、弁護士会は、国や地方自治体などの監督官庁が存在しない、いわば完全な自治権を持った団体として法律で認められています。

私たち和歌山弁護士会は、このような自治権が認められた理由を常に自覚し、基本的人権の擁護と社会正義の実現を目指して活動しています。

会長挨拶

 令和5年度和歌山弁護士会会長の藤井友彦(ふじい ともひこ)です。
令和5年度は,石川栄司(いしかわ えいじ),石原詢二(いしはら しゅんじ),浅野美穂(あさの みほ)の3名の副会長と共に,和歌山弁護士会の運営を担当します。
弁護士は,基本的人権を擁護し,社会正義を実現することをその使命としており(弁護士法1条),和歌山弁護士会は,県民の皆様の権利擁護のために様々な活動を行い,各種法的サービスの充実を図っていきます。
 現在,和歌山県においては約150名の弁護士が登録し,日々弁護士業務に従事していますが,現在弁護士 事務所のある市町村は和歌山県下でも限られており,その大半が和歌山市に集中しています。特に,紀中・紀南地域においては,弁護士に相談するために長時間の移動を余儀なくされるという場合もあります。
和歌山弁護士会は,これまでと同様に,どこに住んでいても気軽に弁護士による法律相談を受けられるように,法律相談場所や日程の充実を図ると共に,後述しますとおり,司法過疎地における法律相談を拡充するためにオンラインによる法律相談を実施できないか,その問題点等を検討していきます。
 皆様ご承知のとおり,和歌山県では次の南海トラフ地震が発生する危険性が非常に高まっており,そのような大規模災害が発生した際にもできる限り県民の皆様を法的にサポートするべく,和歌山弁護士会は,和歌山県及び県下全ての市町村との間で,災害発生時における法律相談実施等に関する協定書を締結しました。

 もっとも,せっかく和歌山県や全ての市町村との間で協定書を締結していても,実際に大規模災害が発生した際に協定書の取り決め内容が効果的に機能しなければ,絵に描いた餅となりますので,和歌山弁護士会は,他の被災地における法律相談等の実例等も検証し,実際に災害が発生した際にも法律相談等の各種法的サービスを被災者の皆様に円滑に提供できるよう,各自治体と協働し,準備を進めていきます。
 また,それ以外にも,県下の市町村に対し,犯罪被害者等支援条例や消費生活条例等県民の皆様の権利擁護に資する法制度の整備を進めるよう,引き続き働きかけていきます。
 和歌山弁護士会では,法教育活動の一環として,平成22年から和歌山市内の高校生を対象とした「ジュニア・ロースクール」を開催するとともに,いじめ問題等様々なテーマについて,弁護士を和歌山県下の学校に講師として派遣する取組みを従来から進めていますが,それに加え,近年は,いじめや不登校の問題,教師等学校関係者に対するハードクレームへの対応等,学校教育の現場が直面する諸問題について弁護士が法的に支援するため,スクールロイヤー制度の実現を検討しています。

令和5年度も,子どもの権利擁護にも十分に配慮しつつ,そのような教育分野における法律支援体勢の充実を引き続き図っていきます。
 法律改正により,令和7年度(2025年度)までに段階的に民事裁判手続きのIT化が進められることになり,和歌山地方裁判所でも,令和5年から民事裁判書類電子提出システム(mints・ミンツ)の運用が開始する予定です。また,近年は,新型コロナウィルス感染症の感染拡大に伴い,オンライン会議等非対面型の会議も一般的に広く行われるようになりました。
個々の弁護士が司法のIT化に適切に対応していくことは,単に弁護士業務の効率化という観点だけでなく,県民の皆様の権利擁護に資するという観点からも重要ですので,和歌山弁護士会は,個々の弁護士がこれからの司法のIT化に柔軟に対応できるよう必要なサポートを行っていきます。

 また,特に司法過疎地における法律相談を拡充するという観点からは,オンラインによる法律相談は非常に有用であると考えていますが,実際にそれを実施するためには,秘密を保持できる環境にあるのか,相談者が持参した資料をどうやって確認するのか,通信トラブルのおそれはないか等,様々な課題や問題が発生する可能性がありますので,まずはそのような課題や問題を洗い出し,本当にオンラインによる法律相談を実現できるのかを検討していきます。
 和歌山弁護士会は,地元・和歌山県に根付き,和歌山県と共に歩む在野法曹としての矜恃をもって,県民の皆様の権利擁護のために活動していきます。

令和5年(2023年)4月1日
和歌山弁護士会会長 藤井友彦

藤井友彦