弁護士業務に関するIT活用検討に関する委員会

委員長 上岡 美穂 副委員長 西  直哉
竹尾 和晃

1 委員会のご紹介

「弁護士業務に関するIT活用検討に関する委員会」は、弁護士業務及び弁護士会の運営に関するIT活用により、これらの活動の効率化及び円滑化を図ることを目的として、令和2年度に発足しました。現在、41期から76期までの15名の会員で、業務にかかわる様々なIT活用について取り組んでいます。

2 裁判手続等のIT化への対応

裁判手続等のIT化は「三つのe」、すなわち①e提出(オンラインでの書面の提出、手数料の電子納付・電子決済、訴訟記録の電子化)、②e事件管理(主張・証拠へのオンラインアクセス、裁判期日のオンライン調整、期日の進捗・進行計画の確認)、③e法廷(web会議の導入・拡大、口頭弁論期日の見直し、争点整理段階におけるITツールの活用)を主な内容としています。

すでに争点整理手続きにおいてweb会議が利用されていましたが、和歌山地方裁判所でも令和5年度から、民事裁判書類電子提出システム(mints)の運用が開始され、口頭弁論でもweb会議が導入されました。また、和歌山家庭裁判所・簡易裁判所の調停等の手続きにおいてもweb会議等の利用がはじまっており、今後はオンライン申請も可能となるような検討が進められています。これからも予定される様々なIT化に対応できるよう、当委員会では関係各機関との協議及び検討を進めていきます。

3 弁護士業務に関するIT化に伴う対応

裁判手続きのIT化だけでなく、情報化社会では弁護士としての業務においても様々な局面でIT化が否応なく進んでいます。これにともない、電子データの取り扱いが急増していますが、弁護士は、依頼者等の秘密が漏洩してしまったりしないよう、電子データの管理等に関して必要な対策を日頃から講じる必要があり、「情報セキュリティを確保するための基本的な取扱方法」を定めています(令和6年6月1日~)。当委員会は各弁護士が弁護士業務を行うにあたり必要となるIT化に伴う対応について、サポートを行っていきたいと考えています。

4 会務活動に関するIT化

弁護士会における様々な会務活動についても、迅速化・効率化・円滑化のため、様々な局面でIT化が必要とされます。和歌山弁護士会においても近年、委員会をweb/会館のハイブリッド開催とする、委員会の資料や会員への文書配布はメーリングリストを利用し電子化するなどの対応がなされてきました

当委員会ではこれまで、常議員選挙における投票でのマークシート使用や、各地の法律相談担当弁護士募集のweb化に取り組んでおり、これらによって開票時間の大幅な短縮化や、委員会・事務局員の作業の効率化が可能となりました。

今後も、各会務活動の迅速化・効率化・円滑化をすすめるため、どのようなツールをどのように利用すべきかを調査し、会員や事務局員が利用しやすい方法を検討していきます。