声明・談話

秋田県における弁護士殺害事件に関する会長声明

2010年(平成22年)11月26日
和歌山弁護士会
会長 冨山 信彦

平成22年11月4日未明、秋田弁護士会所属の津谷裕貴弁護士が自宅に侵入した男性に襲撃され、刺殺されるという痛ましい事件が発生した。当会は、亡くなられた津谷弁護士のご冥福を心からお祈りするとともに、ご遺族に対して謹んで哀悼の意を表する。

事件の事実関係や背景等はなお不明であるが、報道によれば、加害者の男性は、同弁護士の受任していた離婚事件の相手方であり、同弁護士に対する逆恨みから弁護士業務を妨害する意図で凶行に及んだ可能性が大きい。

本年6月には、横浜弁護士会所属の前野義広弁護士が業務に関連して殺害される事件も発生しているところ、法治国家の紛争解決過程において、暴力という犯罪行為をもって自己の主張を実現しようとする犯行が頻発していることは、基本的人権の擁護と社会正義の実現を使命とする弁護士の業務並びに司法制度全般に対する重大な挑戦であって、断じて許されるべきものではない。

当会は、このような暴力を強く非難するとともに、今後も、暴力的な手段による弁護士業務の妨害行為に決して怯むことなく、会員一丸となって毅然と対処し、弁護士の使命のために全力を尽くすことを決意する。