声明・談話

いわゆる共謀罪の創設を含む改正組織的犯罪処罰法の成立に抗議する会長声明

2017年(平成29年)7月3日
和歌山弁護士会
会長 畑 純一

いわゆる共謀罪の創設を含む組織的犯罪処罰法改正案(以下「本法案」という。)は、本年6月15日、参議院法務委員会の採決を省略し同委員会の中間報告を行った上、本会議で採決するという異例な手続きにより成立した。

当会は、共謀罪を創設する本法案については、日本国憲法が保障した国民の思想信条の自由など基本的人権に対する重大な脅威となるものであり、個人の内心の自由を処罰することになりかねないとして、法案の上程前、衆議院での採決後の2度にわたり、反対の会長声明を発した。

当会がこれまで本法案に対して指摘した問題点は、参議院での審議においても十分な議論が尽くされたとは言いがたい。

本法案は、国民の基本的人権と緊張関係に立つ重大な内容を含むものであるにもかかわらず、上記のとおり異例な手続きを経て成立に至ったことは、極めて遺憾である。

当会は、あらためて本法案の成立に強く抗議をするとともに、今後、成立した改正組織的犯罪処罰法が、恣意的に運用されて国民の基本的人権が侵害されることがないように注視する所存である。